反撥
- 作者: フリードリッヒニーチェ,Friedrich Nietzsche,小倉志祥
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/10
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- 作者: アルトゥールショーペンハウアー,Arthur Schopenhauer,鈴木芳子
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- 作者: フリードリヒ・W.ニーチェ,Friedrich Wilhelm Nietzsche,佐々木中
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/08/05
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さて、今日は過去の自分のブログに抗してみたい。
まずは、「絶対に現代的にあらねばならない」としたこと。
これはニーチェの『反時代的考察』で反論できる。
大学のテストで、このニーチェの反時代的な物事と反対、つまりは時代的な物事の例を挙げよという設問で、「学歴」と解答してしまい評定Cだったことがあったけど、つまりはこれは近視眼的な流行や風俗に当たる、現代のベストセラー小説やミリオンヒットの歌、満員御礼の映画などのことだろうか。
よって反時代的とは現代的ではない、時代を超越した普遍的なものとなる。
ニーチェは、この著作で時代的なものを否定し、反時代的なものを肯定する。
といってもワーグナーを評価するわけだけど…
ニーチェなら現代海外文学は時代的なものにするだろうか。
まあ、作家によるのだろう。
諏訪哲史も文芸誌のエッセイとかで反時代的になるよう主張していた。
ニーチェの師匠のショーペンハウエルなんかも『読書について』とかで、題名だけ知っている古典を読めと述べていた。
だから、『ドン・キホーテ』や『白鯨』なんかの反時代的小説を読もうともしたが、これがなかなか難しい。
ゆえに、読みやすいから思わず現代日本文学を手に取っちゃうわけだけどね。
つまりは、ニーチェがワーグナーを見出したように、現代の中で、反時代的なものを自分の目で探せばいいんだ。
つぎは、読書に対し不真面目な態度を取ってしまうのを改善したいということ。
これもニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』で反駁できる。
ニーチェはこの著作の中でこう述べる。
「わたしは読んでばかりいる怠惰な者を憎む(略)万人が読むことを覚えるということは、長い目でみれば、書くことだけではなく考えることも損ねてしまう」(P64)
小林秀雄も『読書について』の中で、ゆっくり考えながら読めと述べていた。
もちろん遅読、少読の弊害は多々あるだろうが、速読、多読の弊害も大きいのだ。
要は、自分がどちらのタイプか知ることだ。
私は、木村榮一が『若い小説家に宛てた手紙』の解説で紹介した、A・チボーデのいう読者(レクトゥール)ではなく、精読者(リズール)でありたい。